オカマの祈りと騒がしい街
夜9時発、プリーからバラナシへ向かう寝台車。
動き出す列車のなかで、下を向いて荷物を整理しているわたしの頭に、
優しい感触の手のぬくもりがふわりと。
(なんでしょうか)
上をむくと、1人のインド人のオカマさんが。
「あなたの幸せのために、あたし、祈りました」
と手のひらをわたしにむけてくるのは、どういう意味でしょう。
気持ちよく、オカマさんに電車からでていってもらい、
しかしなんとなく、あの感触が忘れられないまま、
電車は21時間、定刻通りに騒がしい街、バラナシへ到着しました。
何度来ても、騒がしい街。
でも、聖なる街。
**インドのオカマさんについて**
インドではヒジュラ(両性具有の意味)とよばれています。
列車の中はもちろん、どこかで赤ちゃんが生まれると、その人に家に行き、勝手にお祈りをして
ご祝儀をねだるそうです。家の人が、「うちにはあかちゃんは生まれていない」と言っても、
ごまかせないみたいです、100%わかってしまう、これがヒジュラの力でしょうか。
わたしが友人から聞いた話では、なかには、とても特別な力をもったヒジュラもいるそうで、
わたしは関わりたくはないけれど、とても興味深い話だとおもいました。