Photo diary from sajima

写真家 内田亜里のブログです

インドでの日々の泡 その1

子供をねかしつけて、いろいろ片付けなんかをして、ふとパソコンをあけて文なんてまとめてみようと思うころは大概が夜中の12時すぎ。インドでの日々を思い返すのにはいいくらいに時間もさまざまな思い出も発酵してきたので、インドでの日々をすこしづつ書いてみようとおもいます。

わたしは、美術作家に与えられる海外研修という制度に採択され、2012年から2013年の1年間、インドのゴアに住んでいました。なぜゴアかというと、そこに写真の古典技法の研究所があり、ここがわたしの研修の受け入れ先になってくれたからです。

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インドでの日々の泡 その1


飛行場におりた瞬間にたちこめる鼻をつくジャングル臭とじっとりするほどの湿気。
ゴアの州都であるパナジに向かうタクシーにのりこみ、わたしの眼前を鮮やかに通り過ぎていくのは、かつてヴァスコ・ダ・ガマが航路を発見したインド洋と、マンドヴィ河にうかぶ錆びた大型船や夜の賑わいを待つカジノ船。マンゴーやココナッツの木が生い茂り、そこにぽつんぽつんと、カラフルなポルトガル様式の平屋が点在し、(その家の前にはしばしばクリスチャンであることを示す十字架のモニュメントがたっている)それらが次々と眼に飛び込んでくる。バックミュージックは、ラジオから流れる雑音混じりのインドの映画音楽。クーラーなしの蒸れたタクシーの臭いと、外から時々漂ってくる麝香がミックスされて私の脳を刺激する。
ゴアのジャングルにはキングコブラがいる、、、そのなんだか得体の知れないジャングルの勢いと、目眩を誘う太陽光の照り返しにふらふらしながら、最初の住居となるアパートへ着いた。

が、住んで1週間後に、泥棒に入られ、被害は50ドルだけですんだものの、警察呼んでちょっとした大騒ぎ。ドカドカとわたしの部屋にはいってくるゴア警察の男たち数名。わたしの奇怪な英語と不思議な出で立ちに最初は私自身への疑いがかけられ、あわやぶち切れ寸前だったが、いろいろやりあって1段落。しかし、自宅とみなされる場所での盗難は、保険適用外とのこと。太った警察官は言う。

「道で盗難にあったっていう報告書を書こうか?」

さすがインドだ。

まあ、なにはともあれ、わたしの鍵のかけわすれというアホなことがひきおこしたこと、インドに着いて一週間目。

そのアパートも早々に引き払い、わたしは研修施設に一番近い、密林にある1軒家の2階部分をかりることになった。
1階にはファミリーが住んでいて、天井から蛇のこどもがおちてきたり、毒蛇がはいってきたり、天井裏には姿の見えぬ不思議生物、クーラーも掃除機も洗濯機もない、ただただ密林、時々スコール、そんな面白い生活がはじまった、、、

その2へ続く。