Ali uchida

写真家 内田亜里のブログです

メモ

私には 多少とも今日的だとされる形式などはない。

あらゆる形式、素材、思考、手段が利用できるのだ。

横様に歩けば直線進行のシステムの外に出る。

すると最初につけば褒められて、最後につけば避難されるがごときゴールはない。

そういう抽象的な目標を目指しての自由競争は個人や大衆の間の闘争というシステムを生むのである。

横に進むなら、個人間の競争は並行のものとなる。

各人は自分の道から外れて抽象的な目標や他人の目標に飛び込むことなく、
個人の道を進むからだ。

こういう歩みでは、各人は在るべきように在り、
為すべきことを為すのだから、だれが優れていて、だれがそれほどではないかは比較できない。

だれも他人より良くみせようとして、自己を偽る必要はなく、
言葉を操らずにコミュニケイトすることがこの上なく容易になる。

その人が誰でどんな人かが容易に理解できるからだ。

かくてコミュニケーションと理解のために、
知覚の仕組みを、すべての可能性において開発することができるようになる。


ミケランジェロ・ピストレット