Ali uchida

写真家 内田亜里のブログです

デリー、地獄の飛行

バラナシ発、デリー行きの飛行機。



人生で一番の怖い飛行だった。



デリー空港へ着陸態勢にはいり、もう地面とお友達になろうかというところで、
またスピードアップ、高く高くまいあがる、



(アレ、このままバラナシへかえるのかしら)



と思いつつ、行く先にある黒い不吉な雲の固まりめざして飛行機は突進。



いままで、体験したことのない、揺れ、というか、上から酸素ボンベがでてくるかかと思う恐怖。

この揺れは30分続き、最初余裕顔のインド人たちの顔も青ざめはじめ、あちこちで、エチケット袋が登場。


わたしの体はこう着状態。



こういうとき、人はいままでの懺悔をしてしまうもの。
普段、祈りをおろそかにしている私が、何をいまさらな図である。


その後も飛行機は、黒い固まりの雲をでたかと思うと、大きく旋回し、
また黒い雲の固まりのなかへ、その繰り返し。

もう、コレ、やめねえか?



再びデリー空港が眼下に見えたときは、神をみたような気分。

しかし私の疑いの心は晴れない。



(車輪、ちゃんとでてんのか??)



無事、飛行機が着陸すると、みんな総立ちで拍手、わたしも拍手。

ナイスランディング。



いや、それで、なんだったんだろう、なんのアナウンスもしてくれないところが、インド、なのかしら。

歌舞伎のようなメイクのインド人乗務員は、サンキューマダム、とにっこり。


いや、だから、なんだったの?




と、聞く余裕もなく、3時から始まる写真のトークセッションに参加するため、急いで車に乗り込む。


しかし、隣の美女に目を奪われすぎて、なかなか集中できない。


トークセッションは、白熱したものだった。

インドの写真の状況についてはまた後日、ゆっくりと書いてみようと思います。



泥棒がいようとも、蛇使いが乗車しようとも、

やはり列車の旅が、インドは一番という、感想の一日。