Ali uchida

写真家 内田亜里のブログです

ヒンドゥー教の成り立ちと、千手観音



ヒンドゥー教の源であるヴェーダの宗教は、前6ー5世紀頃に仏教などが興ったことから、
その信者が仏教に奪われていくという状況がありました。

そのために、ヴェーダの宗教を主催するバラモンたちは、なんとか信者数を多くするために、
かつて野蛮人扱いされていた多くの先住民族の宗教をヴェーダの宗教の要素として
とり込みました。

その習合宗教がいまの「ヒンドゥー教」というわけです。
これかなり、簡単にいっちゃってますが、一番簡単にいえば、こうだろうと思います。

だから、ヒンドゥー教にはたくさんの神様がいます。

先住民族の宗教をヴェーダの宗教へ習合させる方法には、いくつかの方法がありました。

そのなかの1つは、太陽神ヴィシュヌ神を最高神として、先住民族の宗教をその神へと統合するやりかたです。

先住民族の伝統的な英雄や、神さまをこのヴィシュヌ神の「化身」として
位置づけたのです。

ヴィシュヌ神は、世界の秩序が壊れるたびに、それらの神に「化身」して救済をするのです。

そして、大乗仏教観音菩薩は、ヴィシュヌ神の「仏教バージョン」にあたるとされています。

この観音菩薩も化身し、さまざまな救済をすると考えられています。

この化身神のひとつである、千手観音の「千手」とは、
もともと、このヴィシュヌ神の異名であり、
太陽光線(kara)を手「kara」に
なぞらえたものなのです。

千手観音をくいいるようにみていた6歳のころから、
何年かがたち、
今日もこうして千手観音についてインドで考える自分を
とても不思議に思う毎日です。